「誰もが知る上場企業の●●社で20年の実務経験」、「15年にわたりxx業界でコンサルタントを経験」など、経験の長さをアピールにしていることは多いです。確かにアピールになる場面もありますが、それが全員に響くとは限りません。
「5年だとアピールにならないですね」
昔の話ですが、ある研修の講師を依頼されたとき、研修の事務局の人から「冒頭で小林先生の経歴を紹介したいので、アピールになるような経歴を教えて下さい」と言われたことがあります。
そんな紹介されても困るとは思ったのですが、仕方なく簡単に独立前の会社に何年ぐらい勤務していて、どんな仕事をこれまでにしてきたのかを説明しました。
その内容を受けて、事務局からは「監査法人への在籍が5年と、あんまり長くなくてアピールにならないので、勤務年数は紹介しないようにしますね。」というようなことを言われました。
(実際はもっと物腰柔らかく言われましたが)
別に勤務年数が長いことが経験豊富とは限らないやろ、とは思いましたが、確かに一般的に見れば5年は短いでしょうし、動かしようのない事実です。
モヤッとはしましたが、受け入れざるを得ません。
「長さ」はアピールにもなる
監査法人に20年ぐらい勤務していれば経験の豊富さを示すアピールになったのかもしれませんが、5年だと短いと思われたんでしょうね。
実際、一つの業界で実務経験を10年、20年と続けている人が経験豊富で頼れそうであることは事実です。
もし私も20年以上続けていることがあれば、アピール材料にはしていたでしょう。
私が今やっている税務・会計の分野で仕事をし始めたのは2012年なので、今年(2025年)で13年になります。
勤務していた職場としては、個人の会計事務所に1年、監査法人に5年、ベンチャー企業に4年いました。
まだまだ「先輩たち」に比べれば長くはないでしょう。
しかし、だからといってどうしようもありません。長さを盛ることはできませんし。
「長さ」はアピールになるものですが、それがないのなら、他で勝負するしかありません。
「長さ」で勝てない場合の戦略
量を増やす
時間的な長さでは「先輩たち」に勝てないとしたら、同じ時間でアウトプットの量を増やす必要があります。
仕事を詰め込んで、経験の量を増やすという方法もあるでしょう。
あるいは、資格試験に挑戦すべく勉強量を増やすという方法もあります。
私の場合は、ブログの毎日更新、メルマガの毎日発行、セミナーの毎月開催、Kindle出版などのアウトプットを増やすことで、経験の「長さ」を補うようにしています。
専門分野をずらす
経験豊富な人、業界歴の長い人と真正面に争うより、専門分野をずらすという戦略もあります。
私は野球が好きですが、高校時代の野球部は強豪で、素人が入れる部活ではありませんでした。
そこで、私はソフトボール部に入りました。京都府内で男子のソフトボール部は4校しかなかったため、大会にエントリーするだけで準決勝です。
部員も試合に出れるギリギリの人数だったため、1年生からレギュラーでした。
野球とはズラしたソフトボールを専門分野とすることで、素人でもチャンスを増やすことができます。
株式投資の格言に「人の行く裏に道あり花の山」という言葉があるように、人がいないところにチャンスはあるかもしれません。
幕末に活躍した大村益次郎は、もともとは町医者でしたが、蘭方医学、蘭学に精通していたことから、オランダ語で書かれた西洋兵学を学び、やがて江戸幕府を倒し「日本陸軍の父」と言われるまでになります。
ある分野で得たスキルが、別の分野で花開くということはありえます。
自分の強みを、別の分野にずらして活かせないか、ということを考える好例といえるでしょう。
同じことを続ける
「長さ」という点で「先輩たち」に今は勝てなくても、今から続けていけば、やがては続けてきたことが「強み」にもなりえます。
このブログも2023年から始めて、記事の数は500を超えました。
コツコツと毎日続けていけば、それが蓄積されて自分の資産になります。
会社での仕事とは別のことで、一つのことを1年以上続けている人というのは意外に少ないものです。
今目の前にある仕事とは別に、強みになりえることを「続ける」というのも、大きなアピールになります。
▪️編集後記
昨日は私の実家に行き、両親、妻、娘で大晦日の食事。
信州流で、おせちは大晦日の夜に食べます(祖父母の実家は長野なので)。
▪️娘日記
おじいちゃん、おばあちゃんから初めてのお年玉をもらいました。
心なしかご機嫌になった気がします。