スマホを持つようになってから、ずっとスマホばっかり操作している。自分だけでなく、電車に乗ってもみんなスマホを触っている。仕事中も手元にあるとついつい触ってしまい、スマホのせいで仕事に集中できていないような気がしてきます。でも、本当にそうなのでしょうか?
「スマホが集中力を低下させる」
集中力を削ぐ一番大きいものはスマホでしょう。大した連絡なんて来ないのになぜかLINEやメールを見てしまう。大したニュースもないのに、ニュースアプリを開いてしまう。
ベストセラーになった「スマホ脳」でも、スマホが集中力を低下させていると書かれていました。
どうやら科学的にも、スマホが集中力を削いでいることがわかっているようです。
私も痛いほど実感しています。
今日中に終わらせないといけない仕事があるのに、早く仕事を終わらせて早く帰りたいのに、Twitterとかニュースを見てしまう。そしてどんどん時間が過ぎていく。
いろいろ対策もしました。
スマホの通知を切ったり、物理的に距離を置くために会社のロッカーにしまったり、自宅で仕事をするときは自宅の郵便受けにスマホを入れたり。
でも長続きしませんでした。
「スマホを遠くに置いたりして、たまたま家族から緊急の連絡が来たらダメじゃん」などと言い訳をつけて、結局手元に置いてる始末。そしてまたスマホをいじりだす。
仕事でもそうですが、自分が学生のときにスマホがなくて良かったとも心底思います。
「こんなもの学生のときに持ってたら勉強なんか全然しないじゃん」と。
今の学生は大変だ。
でもそこでふと思いました。
「あれ、俺の学生の時スマホはなかったけど、そんなに集中して勉強してたっけ・・・?」
私が学生のときは、まだガラケーがメインの時代でした。スマホに比べたらガラケーにできることなんて大したことないけど、何かずっと触ってた気がします。
ケータイでやることがなかったらマンガを読んだり、ゲームしてたり。そういった気晴らしが今はスマホ1台に集約されたというだけで、やってることは今も昔も変わらないのでしょう。
スマホを触ってしまうのは「原因」ではなく「結果」
「スマホ脳」が言及しているように、スマホ自体にも集中力を低下させる要因はあるのかもしれない。でも、スマホがあるから集中できないのではなく、集中できない状態だから(たまたま近くにある)スマホを触ってしまうというのもあるのではないかと思います。
スマホを触ってしまうのは、集中できない「原因」ではなく、集中できなくなった「結果」の事象なのではないか。
仕事中にスマホを触ってしまうのは、仕事から逃れたいという欲求があるから。学生のときはスマホはなかったけど、勉強するというつらい現実から逃れるためにマンガを読み始める。
スマホの通知を切ろうが郵便受けに入れようが、目の前の現実から逃れたいという欲求を何とかしないと他の気晴らしをし始めるだけです。
限りある時間の使い方では、以下のような記述があります。
SNSのアカウントを消して山小屋にこもったとしても、それで大事なことに集中できるかというと話は別だ。たとえフェイスブックが見られなくても、何らかの形で気晴らしの誘惑がやってくる。空想に逃げ込んだり、眠くないのに昼寝をしたり、あるいは(あなたが生産性オタクなら)やることリストを整理したり。とにかく何でもいいから、大事なことに集中しないための方便を探しはじめるはずだ。(P.130)
悪いのはスマホじゃない。現実から逃げようとする自分自身のせいだ。
スマホに逃げず、現実と向き合う
スマホをついつい触ってしまうのは、向き合うのがつらい現実から逃れたいという欲求からきているのだとすれば、まずはその現実と向き合わなければなりません。
仕事はつらいものですが、1ミリでもいいから何か仕事を進める。そして、「進めることができた」ということをしっかり意識する。
実際、手を付ける前まではどうすればいいかわからない仕事でも、ちょっと手を付けると意外にできてしまうこともあります。まずは面倒なことでもちょっとやってみる。そうすると意外に道は開けるかもしれません。
また、そういったスマホを触って先延ばしにしたくならないように仕事をコントロールしていくことも必要でしょう。
むやみやたらに仕事を引き受けない。できないときはできないと言う。
難しいことですが、そういった勇気をもつことも、結果的にスマホを触ったりせずに仕事に集中して高いパフォーマンスを出せることにつながるかもしれません。