やったことのない仕事や、新しいルールができたとき(インボイス制度など)、わからなくてもなんとかしてキャッチアップしていかなくてはなりません。細かくルールや手引きをしらみつぶしに調べることも必要ですが、「そもそも」の原則を考えることも意識しています。
やったことない仕事で判断に迷うときは、視点を変える
今までやったことのない新しい仕事は必ず出てくると思います。
会社で研修があったり、詳しい人が丁寧に教えてくれるような環境があればいいですが、大抵の場合、誰かが教えてくれるわけでもなく、むしろ自分が誰よりも詳しくなって、教える立場にならないといけないような人もいると思います。
わたしの場合、経理をしているので、インボイス制度などの新しい税制を社内の誰よりも先にインプットして、社内で留意事項を周知する必要があります。
インボイス制度のように新しく始まるようなものだと、過去に似たような事例もあまりなく、他社事例もないのでなおさら「どうすればいいのか」の判断に迷います。
判断に迷うようなことがあった場合、細かくルールや手引きを調べていくことも必要ですが、少し引いた視点に立って、原理原則は何なのかを考えることも役立つと思います。
「虫の目、鳥の目」とよく言われますが、「虫の目」で細かいルールを調べ、「鳥の目」で原則に立ち返って全体を俯瞰するということをすれば、判断に迷うことでも、ある程度の指針を見つけることができます。
原則でアウトプットしたほうが、相手にも伝わりやすい
原理原則を考えることはインプットするときだけでなく、アウトプットするときにも有効です。
前提知識を共有していない人にいきなり「虫の目」で細かいことを説明しても、おそらく誰も聞いてくれないでしょう。あとから質問攻めにあうか、追加フォローに追われる羽目になります。
アウトプットするときは、「なぜそんなことをしないといけないのか」、「結局何をすればいいのか」を端的に説明することが必要であり、そのためには原理原則のインプットが必要です。
例えばインボイス制度の場合、「請求書の記載内容を変えないといけない」、「税務署に適格請求書番号の届け出をしなければならない」といったことだけを説明しても、聞き手はその時は何となく理解できても、すぐに忘れられる可能性があります。「なぜそんな対応が必要なのか」ということを、聞き手がある程度腹落ちしないと、記憶には残りにくいものです。
少し俯瞰した視点に立って、
- 「インボイス」と「インボイス制度」は違う
- ほとんどの会社や個人事業主で対応や判断が必要(消費税を納めていなくても)
- 買い手と売り手の両方の立場で対応が必要
など、細かいルールや専門用語を使った解説の前に、全体的な内容をアウトプットすることを心がけています。
原理原則を鍛える訓練
何か新しいことをインプットする必要がある場合、どうしても「虫の目」で細かいルールをインプットしがちですが、「鳥の目」でインプットする訓練も必要です。
原理原則を理解する訓練には、学校や試験勉強のようにテキストを最初から読み込んで勉強できればそれがいいのでしょうが、忙しい社会人にはそんな時間はありません。
仕事に必要な情報のインプットは、手っ取り早く進めるべきだと思います。書籍や資料、ネットの記事などをじっくり読み込むのではなくざっと見ていき、重要なことや自分の業界に関係しそうな部分は少し時間をかけて読んで、効率的にインプットしていくほうが良いでしょう。
書籍もできるだけお金を惜しまず購入するか、図書館を活用したりして量をインプットし、いろんな書籍や記事に共通して重要なことはどこにあるのかを考えることで、「鳥の目」の原則を理解する訓練になると思います。