PDCAの「C」は面倒だが役に立つ

新しい事業や新しい社内システムを導入するとき、「とりあえずやってみよう」の精神でスタートするのは良いと思いますが、やりっぱなしで反省や振り返りをしないのは考えものです。PDCAの「C」は面倒&軽視されがちなところだと思います。

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スモールスタート、アジャイル思考なのはいいけれど

ベンチャー系の企業で働いていたとき、社内で使うツールを入れ替えるという場面がよくありました。

販売管理をお手製のスプレッドシートからSaaSのkintoneへ
顧客管理をhubspotからsalesforceへ
経理ソフトを弥生からfreeeへ など

ベンチャー系の会社で働く人は新しいもの好きな人が多いため、新しいSaaSのサービスがリリースされたりすると、すぐに使いたがる人が多い印象です。また、大企業と違って導入までの決裁プロセスも少なく、新しいものを使いたいと思ったら、相対的にすぐに使いやすい環境にあります。

とはいえ、新しいものを入れようとすると課題もいろいろ出てきます。

セキュリティには問題ないのか
今までスプレッドシートでつけていたようなフラグは新しいツールにはつけられるのか
ツールを提供しているベンダーは安全な会社なのか、倒産するような危ない会社ではないのか

などなど、検討を進めていくと課題が出てきます。

これらの課題をどうつぶしていくかも検討していくのですが、最後は合言葉のように、「やってみなければわからないから、とりあえずやってみよう」となります。

このこと自体はいいことだと思います。実際に新しいツールを導入しないと本当の課題はわからないわけで、サクッと始めてみて、アジャイル的にやりながら課題を見つけていくことは大企業にはできないことだと思います。

ここで大事なのは、スモールスタートで始めてみて、どんな課題が出たかをしっかり認識し、その課題をつぶしていくことだと思います。しかし、いざ新しいものを導入すると、導入したことに満足してしまい、振り返りをする時間がない、あるいはするのが面倒になる、ということが起こりがちです。

振り返りをすることは面倒&軽視されがち

私が働いていた会社は、その辺はしっかりしていました。新しい事業を始めるとき、社内のシステムを入れ替えるときは、導入して終わりではなく、その後振り返りをすることが求められていました。

しかし、振り返りをしていない会社もけっこうあるのではないでしょうか。というのも、振り返りをするのは結構面倒だからです。

システムをリプレイスすると、それを運用に乗せるだけでも対応に追われるにもかかわらず、さらに振り返りもしなければいけないというのは億劫になりがちです。

せっかく導入までこぎつけたのに、あれこれ上司から問題点を言われるのも気に入りません。

また、振り返りに時間を使ったからといって、あまり人事的に評価が上がるともいえません。それよりも、反省はそこそこに新しいことをどんどんやっていった方が評価もされやすいでしょう。

PDCAで「C」は重要であるとは誰もが思いながらも、それをするインセンティブもあまりないのが現状だと思います。

会議体にこだわる必要はないが、振り返りは必須

振り返り、PDCAの「C」をおろそかにしがちなのは、それが社内会議のようなオフィシャルな場で実施されるところにあると思います。

問題点ばかり指摘されて評価が下がってしまうのではないか、上司から叱責されてしまうのではないか、などと考えてしまうと、本当の課題や反省をせずに取り繕った課題しか出てこなくなります。

上司がいるようなオフィシャルな場で振り返りをする必要はなく、自分の中だけでもノートなどを使って振り返りをしたうえで社内に展開するというような工夫をしてでも、やりっぱなしにしないことが重要だと思います。

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