マンガ「ワンピース」に出てくるスクラッチメン・アプーというキャラクター。常に勝ち馬に乗ることを考え、嫌われキャラになっていますが、生存戦略としては合理的な生き方ともいえます。ルフィのような自由な生き様はカッコいいですが、茨の道でもあります。
「ワンピース」のキャラクター、スクラッチメン・アプーとは
スクラッチメン・アプーは、マンガ「ワンピース」に出てくる海賊です。
ルフィ達と敵対するカイドウ率いる百獣海賊の傘下に入り、情報屋として活動するなど、作中ではどちらかというと敵キャラになることが多いです。
その百獣海賊団でも居場所がなくなると、今度は別の海賊を引き入れようと誰彼構わず声をかけ、ルフィの仲間達からは嫌われています。
典型的な長いものに巻かれるタイプのキャラクターです。
ルフィのように自分より強い相手にも決して媚びることなく、仲間を守るために命を懸ける姿とは対照的な生き様です。
私が子どものときは、ルフィのような生き様をカッコいいと思い、アプーのような長いものに巻かれるタイプのキャラは好きにはなれていないと思いますが、大人になると、アプーのよう生き方も合理的だと思うようになりました。
大海賊時代とは言わなくても、この現実の社会で生き残っていくには、力の強い組織にいる方が有効だとも思うからです。
勝ち馬に乗り、強いものに守ってもらうという生存戦略
アプーはただのお調子者ではなく、現実的なものの見方をしているキャラクターでもあります。
おれ達が手を組んだ程度で…!!「四皇」を一角でも潰せたと思うか?現実に気づけ!!!
そもそも海賊の同盟がハッピーエンドを迎える事はねェんだ!!!(97巻981話)
アプーはキッドやローといった他の海賊と同盟を結びますが、その同盟を裏切ります。裏切られたキッドがアプーに詰め寄ったときに言ったのが上記のセリフです。
弱腰なセリフですが、アプーもいち海賊団を率いるリーダーです。自分の組織を守るために、他の海賊を裏切り、強いものの傘下に入るという戦略は、はたから見ると情けなくても、リーダーとしてはあるべき姿の一つともいえます。
サラリーマンとして働いていると、月曜から金曜の朝から夜まで仕事をする必要があり、自由が制限されますが、毎月の給料は安定していて、病気になっても有給で休むことができます。
フリーランスのような働き方に憧れを持つことがあっても、現実はサラリーマン以上にプライベートを犠牲にして働く必要があり、病気になって仕事を休めば収入は途絶えます。
サラリーマンとして雇われていた方が、かえって自由になることもあるかもしれません。
私たちも自分や家族を守るために、アプーのような生き方をせざるを得ないこともあると思うと、アプーのことを嫌いにはなれません(マンガでそんなことを考えたくもないですが)。
自由な生き方は茨の道でもある
みんなルフィのような自由な生き方をカッコいいと思いますが、現実にはそんな簡単ではありません。
ルフィは自分より強い相手にも果敢に戦いを挑み、戦いに敗れて瀕死の状態になっても、なお立ち上がって強くなり、強敵を倒していきます。
ルフィは誰からも支配されない、自由な生き様を見せてくれますが、そこに至るまでには幾度となく茨の道を突き進んでいます。
自由な生き方は、茨の道でもあります。
そういう意味ではアプーのような生き方の方が現実的です。
それでも、ルフィのようにはなれなくても、自由な道を選ぶためにあえて茨の道を進んでみたいとも思います。
誰にも支配されない、どんな組織の傘下にも入らないというところまで孤高になれなくても、自分が望む自由な生き方を探して、それが実現できるように経験や知識を高めていきたいと思います。