メールなどのテキストコミュニケーションでは定型文になっている「お世話になっております。」は、必要なのでしょうか。
社会人になって最初に学んだこと。「お疲れ様です。」「お世話になっております。」
社会人になり、仕事でメールを頻繁に使うようになって、最初に学んだのが、
- 社内の上司や同僚にメールを送るときは、宛名の後に「お疲れ様です」と書く。
- 社外のお客様などにメールを送るときは、宛名の後に「お世話になっております。」と書く。
ということでした。
別に上司から教えられたわけでもなく、みんな当たり前のように書かれているので、自然と身についていくものです。
Slackやチャットワークなどのビジネスチャットが普及し、多少カジュアルにテキストを送れるようになっても、やはり最初は「お疲れ様です。」「お世話になっております。」から始めることも多いのではないでしょうか。
予測変換でも、「おせわ」まで入力すると自動で「お世話になっております。」と出てきます。それだけ利用頻度が高いということでしょう。社会人になって10年以上経ちますが、おそらく一番入力回数の多い一文ではないかと思います。
「お世話になっております。」という文章を書くのにそんなに時間はかかりません。もはやメールを書くときのルーティンになっていて、宛名と「お世話になっております。」までを書かないと気が済まない感じにもなってきます。読み手も困るものでもありません。
しかし、「これ書く必要あるか?」とふと思うときもあります。相手との関係性にもよりますが、事務的な印象がありますし、誰にでも同じ挨拶から始まるのは、「あなたとコミュニケーションをしている」感が薄い感じがします。
「形だけの慣習」は軽視しても良い?
そんな形だけのお決まりの挨拶なんか省いて、さっさと本題を書いた方が良いという考えもあるでしょう。
メールの挨拶に限らず、こういったビジネスマナーというか、長年の慣習のようなものを「無駄なこと」だという考えもあるでしょうし、私自身、そう思ったこともあります。
でも、あまり親しくない、ほとんど会ったことない人からメールが来て、いきなり冒頭から本題に入った文章を見ると、唐突感を感じてしまいます。
ビジネスマナーというのは、最低限それをやっとけば(よほどヤバいやつじゃない限り)相手が不快にならないという便利な道具でもあります。マナーや長年の慣習を「無駄なこと」と一蹴して、相手が同じ考えであれば意気投合するでしょうが、そうでない場合は肝心の仕事の中身に入る前に相手に嫌われるリスクもあります。
どれだけAIが進化しても仕事は人間が主体となって回っている以上、嫌われたりネガティブな感情を相手に与えてしまうと、どれだけ能力が高くてもパフォーマンスを発揮できません。
そういう意味では、メールの冒頭で「お世話になっております。」と一文入れるのは、それだけで相手を不快にさせないのであれば、「無駄」どころか「コスパの高い」ライフハックとも言えます。
結論。相手による。
結局どっちなんだという話ですが、結論としては「相手による」ということです。身もふたもない話ですけど。
ほとんど初めてコミュニケーションする人や、相手の人となりがわからない状況では、「お世話になっております。」から始めた方が無難です。でも、相手の人となりがある程度わかっていたり、付き合いが長い相手であれば、わざわざ形式ばって「お世話になっております。」から始める必要もないと思います。
それよりも、「昨日はありがとうございました。」とか、「ご無沙汰してます。体調お変わりないですか?」など、相手だけに伝わるような挨拶を冒頭に入れると好印象を与える気がするので、私はやることがあります。
あるいはそんな細かいことを気にしない人とわかっていれば、面倒な挨拶を省くのもありでしょう。
私が気にしすぎなだけかもしれませんが。