経営分析で押さえておきたい指標3つ

経営分析の指標は本を読めばたくさん書かれていますが、最低限3つ押さえておけばとりあえず十分ではないかと思います。

目次

とりあえず押さえておきたい指標3つ

  • 月次推移(PL&BS)
  • ROA(総資産利益率)
  • 自己資本比率

この3つを押さえておけばとりあえず分析指標としては十分ではないかと思います。

月次推移

経営分析の指標というと「〇〇比率」とか「▲▲レシオ」みたいな計算をする指標を思い浮かべますが、月次推移を見ることも立派な分析指標です。
毎月のBS、PLの科目ごとや取引先ごとの推移を見て、異常値がないか、大きな増減や、逆に大きな取引があったらそれが数字に反映されているかどうかを確認します。

月次推移は単純なようで、多くの情報が含まれています。上場企業の監査をするときも、月次推移分析は必ず行います。

ROA(総資産利益率)

総資産に対する経常利益の割合です。経営分析の書籍にも必ず出てくるものだと思います。

自己資本を分母にするROEもありますが、上場していない会社であれば、保有している総資産に対する効率性を見た方がいいです。
資産は持っているだけでもコストがかかるものが多いです。資産を借入金などの負債で取得していれば、利息の負担も返済の負担も大きいです。
業種にもよりますが、同じ利益を稼ぐのなら、無駄な資産を減らし、筋肉質な財務体制を目指したいところです。そのために、総資産に対する利益率であるROAを随時チェックしたほうがいいでしょう。

自己資本比率

総資本(負債+純資産)に対する純資産の比率です。自己資本が高いほど、借り入れに依存せず、財務体質が健全とされています。
手元にキャッシュを残すためには銀行からの融資は積極的に検討すべきですが、借り入れに依存しすぎるのもよくありません。
また、純資産にはこれまでの利益が積み上がったもの(利益剰余金、内部留保とも)も含まれます。純資産が厚いということは、利益をしっかり過去から継続して積み上げているということで、業績が健全であることを示します。

「流動比率」、「生産性分析」は使うか?

経営分析の書籍などを見ると、良く出てくるのは流動比率(流動資産÷流動負債)とか付加価値生産性(付加価値÷労働価値)などといった指標が取り上げられています。
これらも財務の健全性だったり生産性だったりを分析する指標なので、不要というわけではありませんが、この分析をするために時間をかけすぎるものではないと思います。

付加価値生産性といった指標は、実務では私は見たことがありません。

規模の大きい会社や上場企業であれば、投資家や債権者に業績を開示するためにいろんな指標を自主的に開示していることもありますが、そうでない中小企業やひとりで会社をやっている場合は、流動比率とか生産性分析は優先度は下がります。

まずは、冒頭で述べた3つの指標を継続的に見ていくことをおすすめします。

PLだけでなく、BSも見る

最低限押さえたほうがいい指標は3つですが、3つの指標とも共通しているのは、「BSも見る」ということです。

売上や利益といったPL項目は税金の支払額にも影響するので関心は高いでしょう。また、資金繰りなどのキャッシュ・フローも随時チェックしているでしょう。
でも、BSはあまり気にしない人もいると思います。BSは税理士が作ってくれるだけで、中身は見たことないという人もいるかもしれません。

しかし、BSも無視できるものではありません。特に、借り入れや設備が多い場合は、後にPLにも資金繰りにも影響してきます。

上記3つの経営指標(月次推移、ROA、自己資本比率)を集計すると、BSにも目が行くようになります。
利益がそれなりに出ていても、ROAや自己資本比率が低ければ、無駄な資産があるのかもしれません。そうなると、利益は多くても資金繰りに窮する可能性もあります。

経営分析は、たくさんある指標をExcelでたくさん計算することではなく、視野を広げることが重要です。
計算に時間をかけるのではなく、数字に対する視野を広げるために、計算する指標を絞って継続的にチェックし続けることが重要です。



▪️編集後記
昨日はオフ。新しく買った枕の再調整を。枕だけではなく、布団も新調しようかと検討中(13万円、、、高い、、、)。
午後は学生時代の友人とラーメン巡り。腹がはち切れそうになりました。

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