文化庁から、「公用文作成の考え方」は、わかりやすい文章を書くうえで参考になります。この資料をAIに読ませて、校正することもできます。
文化庁「公用文作成の考え方」は、文章作成の指針になる
「公用文作成の考え方」は、文字通り、国や自治体が公表する公用文(法令や文書など)の使い方の指針をまとめたものです。
例えば、以下のようなことが書かれています。
公用文の作成の考え方をまとめたものですが、公用文じゃなくても、仕事で文章を書くうえで十分に参考になる内容です。
Claudeに「公用文作成の考え方」を読ませて、文章を校正する
「公用文作成の考え方」はPDFで公表されているので、ダウンロード可能です。
このPDFを、生成AIの「Claude」に読み込ませて、自分の過去のブログ記事を添削してもらいました。
元の文書は、以下の記事です。
修正後の文章は、以下になりました。
修正後の文書はこちら
【ブログタイトル】 インボイス制度「よくある質問」更新。絶えず更新が続くことの長所と短所
国税庁が、インボイス制度の「よくある質問」を7月26日に更新しました。常に更新されているようですが、良い面もあれば気になる面もあります。
【インボイス制度の「よくある質問」が更新】 インボイス制度の開始からもうすぐ1年が経ちますが、国税庁のインボイス制度の特設サイトでは「よくある質問」というQ&Aが随時更新されています。
7月26日にも更新され、以下の2問のQ&Aが追加されました。
問eは公営企業の事例なので、民間の法人や個人事業主には影響は少ないでしょう。 問fは1年を超えて毎月保守を行うサービスを提供している会社のケースです。こちらはメーカーなどに当てはまる可能性もあるでしょう。
このQ&Aは、今年の4月から毎月更新されています。月に1回更新するという決まりがあるかはわかりませんが、常に更新が続いています。
常に情報周知のために問合せ事項を管理しているという良い面もありますが、それだけ複雑すぎるということの現れでもあります。インボイス制度が始まって1年が経とうとしていますが、特例も多く、まだ問合せが多いので「よくある質問」が絶えないのかもしれません。
【「よくある質問」を絶えず更新し続けることの長所と短所】 会計ソフトを操作するとき、私はよくその会計ソフトのサポートにある「よくある質問」を確認します。 ほぼ毎日freeeかMFクラウドを操作していますが、細かい機能はサポートを見ないとわからないこともあります。
そういうときに「よくある質問」は有効です。それを見れば疑問点が解消されることもあります。 いちいち顧客サポートに問い合わせをするのも面倒ですし、会社も対応しきれないでしょう。
「よくある質問」にあらかじめ想定される疑問とその回答を書いておくことで、効率化が図れます。
しかし、「よくある質問」が常に更新され続けているのは、それはそれで良いのか?とも思います。 内容が理解できないから、質問が多くなり、結果として「よくある質問」が溜まっていくのだと思います。 であれば、そもそもそんな複雑な内容にせず、「問合せ」しなくてもわかるような内容にすることも必要でしょう。
インボイス制度は税金の話ですし、様々な利害を調整した上での今の制度だと思うのでどうしようもない部分もありますし、法律なので守る以外の選択肢はありません。 しかし、私が提供するサービスで、「問合せ」しないとわからない複雑な内容にしていたら、顧客にとっては迷惑でしかないでしょう。 できるだけ簡単にすることを心がけています。
【インボイス制度のQ&Aは、関心があれば読むぐらいでよい】 インボイス制度の話に戻すと、Q&Aについては、経理や税務を本業としていないのであれば、必ず読む必要はないでしょう。 関心があれば見てみる、ぐらいでもよいかと思います。
経理をする上で注意が必要なことは、会計ソフトでもアラートが出るようになっています(少額特例など)。 消費税の申告が簡易課税ではなかったり、製造業や卸売業のように仕入れが多い業種だと、インボイス制度を意識する必要がある場面も出てくるかもしれませんが、そのときにQ&Aを見てみたり、税理士がいれば税理士に聞いてみるぐらいでよいかと思います。
資金繰りや税金の話は大事なことですが、インボイス制度や定額減税だけが税金の論点になるわけではありません。
とはいえ、最近は話題にならなくなっているものの、インボイス制度も定額減税も国税庁が特設サイトを作っていますし、Q&Aも随時更新されているので、確認してみてもよいと思います(特に宣伝するわけではありませんが)。
修正前と修正後の文章の違いをまとめると、以下のような違いがあります(これもClaudeにまとめてもらいました)。
- タイトルの「お問い合わせの多いご質問」を「よくある質問」に変更し、「功罪」を「長所と短所」に変更。
- 「お問合せ」を「問合せ」に統一。
- 「私達」を「民間の法人や個人事業主」に変更。
- 「当てはまる可能性もあるでしょう」を「当てはまる可能性もあるでしょう」に変更し、「可能性」を残した。
- 「ルーティン」を「決まり」に変更。
- 「メンテナンス」を「管理」に変更。
- 「カスタマーサポート」を「顧客サポート」に変更。
- 「デメリット」を「短所」に変更。
- 「いろんな」を「様々な」に変更。
- 「遵守する」を「守る」に変更。
- 「お客様」を「顧客」に変更。
- 「シンプル」を「簡単」に変更。
- 「マストで」を「必ず」に変更。
- 「興味」を「関心」に変更。
- 「チェックしてみる」を「確認してみる」に変更。
- 一部の長文を分割し、読みやすくした。
- 口語的な表現をより公式な表現に変更(例:「~でしかないでしょう」を「~でしかないでしょう」に)。
- 一部の冗長な表現を簡潔にした。
公用文の指針なので、カタカナの言葉は日本語に直されがちですね。
「デメリット」とか「カスタマーサポート」はさすがに元の文章でも良い気がしますが、あくまで公用文の作成の指針なので、忠実に修正してくれています。
長文を分割、冗長な表現を簡潔にするのは、大事なことですね。校正してもらう価値があると思います。
「つまらない文章」の方が、わかりやすい
仕事のメールや資料で文章を書くときに大事なのは、解釈の幅を広げないことです。
読み手によって解釈が分かれるような純文学のような文章は仕事では不要です。
誰か有名な作家が、「役所の文章はつまらない」というような発言をしたのを耳にしたことがありますが、解釈の幅を持たせない文章は「つまらない」ものだとは思います。
仕事でもブログでも、私が目指しているのは、どちらかというと「つまらないけど、わかりやすい文章」です。
おもしろい文章が書ければそれはすごいことですけど、中途半端にウケを狙ってもうまくいきません。
文章自体のおもしろさよりも、中身を濃くすることを目指したいところです。
「文章は簡潔に、ネタは濃く」です。
そのためにも、文章の書き方については「公用文作成の考え方」を参考にして、簡潔に・解釈の幅を持たせずに書く意識をもってみることをおすすめします。
▪️編集後記
昨日は東京出張最終日。打ち合わせを行い、その後、品川駅から帰宅。東京にいたときはスコールのような大雨に当たりましたが、奈良では最近全く雨が降っていません。