「管理職」はスキルになりうるか?

管理職になることは、キャリアの強みになることもありますが、弱みにもなりえると思います。

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管理職になって身につくこと・衰えること

経理の部署で、管理職で働いていたことがあります。何人かの部下を持ち、自分は基本的に手を動かすことはなくなっていくのが管理職の定めだと思いますが、管理職になることによって、個人的には以下のような変化がありました。

身につくこと

  • 視座(自分の仕事のことだけでなく、会社全体のことを自分の仕事として考えるようになる)
  • プロマネ(タスクをこなしていくというより、プロジェクト全体の進捗や課題に取り組むようになる)
  • 調整力(上司や部下、社外や社内の利害を調整する能力が高まる)
  • 人事(人事によって社員の給料などにも影響を与えるようになる)

会社によっては残業代を払わないための「名ばかり管理職」なる悪質な扱いをしているところもあるようですが、一般的に、管理職になることはおめでたいことであり、収入面も良くなるでしょう。

実際、自分も管理職になることで、新しい経験もできました。自分が手を動かすことは減るものの、責任は増えるので、部下への仕事の指示の仕方には工夫がいります。部下に対する自分の評価が人事評価にも大きく影響するため、社員の人生に対する影響も大きくなります。

衰えること

一方で、管理職になると、衰えることもあります。

  • 作業(自分では手を動かさなくなる)
  • 新しいスキル(今の業務を回すのに必死で、余裕がなくなる)
  • 汎用性(その会社でしか通用しない?)

自分で手を動かすことが減るため、作業を効率化しようとか、そういうモチベーションも上がりにくいです。責任も重くなり、新しいことをして失敗して責任を問われるよりも、現状維持を続けていたほうが責任を問われる可能性は低くなるので、新しいことにチャレンジする意欲もなくなります(ダメな管理職ですね)。

キャリアアップ=管理職になること?

管理職になると、責任は増え、上司と部下の板挟みにあい、給料がちょっと上がるぐらいでは見合わないぐらいの負荷がかかることもあるでしょう。

管理職になりたがらない人がいるのも当然だと思います。

転職活動では、管理職経験があることがプラスに働くことは十分にあります。管理職の経験が全くない人が、転職していきなり管理職で採用されることはあまり多くないでしょう。そういう点では管理職の経験もキャリア形成には役立つと思います。ですが、それも1つの要素でしかありません。管理職の経験があるからといって、転職が必ずうまくいくとも限りません。

仕事をバリバリこなしてキャリアを上げていくには、管理職になることが一般的な方法ではありますが、いつ仕事を転職することになるかわからない今、管理職の経験が活きる場面も減ってきているかもしれません。

それよりも、AIの活用やプログラミングといったソフトスキルを高めることや、問題解決の思考を鍛える訓練を積むことの方が、キャリアアップのためには重要かもしれません。

「いつ管理職じゃなくなってもいい」スキルを鍛える

管理職の経験が無駄だとは思いません。しかし、いつ転職したり独立して、管理職じゃなくなっても、パフォーマンスが下がらないようにするスキルを高めることは必要だと思います。

  • プログラミングやExcelといった新しいソフトスキル
  • 「自分の責任を回避すること」ではなく、課題を解決しようとする思考・マインド
  • 既存の仕事だけでなく将来の種まきとなる仕事

こういったことを意識して鍛錬していかないと、「前職では管理職で偉かったのかもしれんが、大して使えないおっさん」になってしまいます。

管理職になることは、一つのキャリア形成の過程であってゴールではないことを意識しておきたいです。

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