私ぐらいの年代になると、同世代で家を買っている人はそれなりにいます。
「家を買ったほうが、ローンを払い終えれば家賃を払わなくていい」という人もいれば、「ローンなんて組んだら気軽に引っ越しもできないから、身軽な賃貸がいい」という人もいます。
賃貸かマイホーム、どっちが得なのか。結論からいえば「どっちも良し悪しがある」ということなのですが、性質の違いは知っておいていいかと思います。
マイホームは、自分で自分に賃貸する「投資」である
マイホームは、自分で自分に家を賃貸していることと同じです。
不動産投資では、自分が所有している物件に誰か他人が住んでもらい、入居者からの家賃収入を得て、ローンの返済に充てたりします。
マイホームも性質は同じで、自分が所有する物件に自分が住み、その住居費をローンの返済に充てています。
経済的な観点でいえば、マイホームは株と同じ不動産投資をということになります。
例えば手元に3,000万円の現金があるとして、一括で3,000万円のマンションを購入したとします。ローンを組まないので、毎月の家賃はなくなります。
これで家賃負担を節約することができますが、3,000万円の現金を失うことにもなります。
仮にこの3,000万円を住宅の購入に充てずに家賃12万円の賃貸に住み、3,000万円を株に投資して年間6%の配当を得ることができた場合、家賃を12万払って、15万円の配当を得ることができ、実質家賃タダになります。
一括ではなくローンを組んだ場合でも、ローンの返済には利息もつくので、金利が1%として、元利均等返済だと35年間で支払う金額は3,500万円ぐらいになります。
この利息部分の500万円を株などに投資をすれば、賃貸の方が得ということになる可能性もあります。
「ローンを払い終わったら家賃負担がなくなる」というのはマイホームのメリットとしてよくいわれることですが、マイホーム購入に充てる資金を別の投資機会に充当すれば、賃貸でも同じ効果を得ることができます。
マイホームの方が、コスパは良い(基本的に)
投資という観点からは、マイホームであっても賃貸であっても、大して得も損もないということになります。
しかし、住宅自体のコスパでみた場合、一般的に、同じ家賃を払うのならばマイホームの方が良い物件に住めることがあります。
マイホームの場合、毎月支払うローンは、物件を購入した価格と利息のみです。
しかし、賃貸の場合には、その物件を所有しているオーナーの利益が(理論上)家賃に含まれています。
なので、同じ物件であっても、賃貸の場合は毎月の家賃が高くなり、マイホームの方がコスパは良いということになります。
とはいえ実際の家賃はその地域の家賃相場だったり、住宅の価格も日々変動しているので一概にはいえませんが、少しでも良い部屋に住みたいなら、マイホームを検討したほうがいいかもしれません。
また、マイホームの場合は、その物件は当然自分のものなので、好きに使うことができます。
壁に穴を空けてもいいですし、給湯器やフローリングを自分の好きなように変えられます。
当然その費用は自分で払う必要はありますし、賃貸であれば備え付けの設備が故障したらオーナー負担にできます。
ですが、逆にいえばお金さえ払えば好きなように住宅をカスタマイズできるということでもあります。
賃貸の方が自由というイメージもありますが、リモートワークなどで家にいる時間が長いのであれば、マイホームも選択肢にはなりえます。
「得か損か」よりも、「買いたいのかどうか」が大事
結局のところ、家を買ったほうがいいのか、賃貸の方がいいのかに結論はありません。
明らかに賃貸の方が得、ということなのであれば、みんな賃貸を選んで、マイホームの市場は衰退しているでしょう。その逆もしかりです。
得か損かで考えるより、家を買いたいのかどうか、賃貸でいいのかどうかという気持ちで考えることでしかないものだと思います。
子どものときからずっと借家住まいで、いつか自分のマイホームを持つことが夢、という人であれば家を買ったほうが幸せになれるでしょう。
引っ越しが好きで、いつでもすぐに引っ越しができるように身軽でいたい人は、賃貸の方が向いているでしょう。
これは家だけでなく、他のことでも同じです。
独立したいのであれば、得とか損とかではなくすればいいし、東京を離れて地元に帰りたいと思っているなら、帰ったほうがいいに決まってます。
自分がやりたいことは、意外に自分ではよくわかっていないものです。
「得か損か」ではなく、「本当に望んでいることなのか」を大事にすべきです。
▪️編集後記
昨日は午前中に税理士業で打ち合わせ。
午後は自分の確定申告。無事完了しました。
▪️娘日記
なかなか鼻風邪が治りません。良くも悪くもなっていないので、地道に回復を待つしかないですね。