不動産投資で中古物件を購入するとき、築40年や60年の物件だと、法定耐用年数を超えることになります。この場合の減価償却の計算はどうする必要があるでしょうか。
中古物件の耐用年数
不動産投資をするときに、大きな影響があるのは減価償却です。
減価償却費はお金が実際に出ていくわけではありませんが、経費にはなります。
そのため、減価償却費が大きいと利益を小さく出来て、税金が安くなります。
不動産投資が節税になるのは、この減価償却費があるからです。
減価償却を計算するときの耐用年数について、中古の物件を購入したときには、使用可能な期間を見積もるか、それが難しい場合は簡便的な計算をして耐用年数を計算します。
例えば、鉄筋コンクリート造の物件の場合、法律で耐用年数は47年となっています(法定耐用年数といいます)。
この物件を築20年のときに購入した場合、減価償却の計算に使う耐用年数は、
(47年ー20年)+20年×20%=31年が耐用年数になります。
仮に築60年の鉄筋コンクリート造の物件だった場合は、築年数が耐用年数を超えているので、
47年×20%=9年が耐用年数となります。
耐用年数が短いことのメリットとデメリット
耐用年数が短い方が、毎年の減価償却費が大きくなります。つまり、経費が多くなるということです。
経費が大きくなると、利益が小さくなるので、税金も安くなります。
不動産投資が節税になるとはよく言われますが、それはこの減価償却費がポイントになっています。
減価償却費は経費ですが、実際にお金を払うわけではないので、お金を払うことなく税金を安くすることができます。
なので、減価償却費が大きい方が、節税という点ではメリットが大きいです。
しかし、減価償却費が大きい=耐用年数が短いというのは、デメリットもあります。
耐用年数が短いということは、理論上、その物件の利用可能な期間が短いということです。
つまり、寿命が近い物件ということです。
新築の場合、鉄筋コンクリートの住宅物件は法律上の耐用年数は47年ですが、木造は22年しかありません。
節税だけを考えれば、木造物件の方が耐用年数が短い=減価償却費が大きくなるので、経費が増え、税金が安くなります。
しかし、物件そのものを見ると、木造物件は災害リスクもありますし、賃貸需要としても鉄筋の方が人気があります。
不動産投資の勧誘の謳い文句として、節税をセールストークにする人もいますが、節税だけに目がくらんでボロ物件をつかまされると、痛い目にあいます。
不動産投資は節税だけを求めてはいけない
不動産投資のメリットとして、節税があることは間違ってはいません。
減価償却によって不動産投資の収支に赤字が出れば、サラリーマンの給与やフリーランスの事業収入と所得を相殺できて、支払う税金が安くなります。
給料を源泉徴収されている場合は、確定申告で還付になるかもしれません。払いすぎた税金が返ってきただけですが、還付になるのはうれしいものです。
しかし、節税を不動産投資の目的にしてしまうと、空室がずっと続いたり、修繕で多額の出費が必要になる可能性もあります。
他の所得と相殺して節税になるということは、その不動産投資が赤字であり、赤字ということは投資の失敗ということでもあります。
投資の初年度なら仕方ないにしても、節税だけを目的に不動産投資をすると、痛い目に遭う可能性があることは、理解しておく必要があります。
▪️編集後記
昨日は税理士業の打合せ。その後、カイロプラクティックで整体。
Kindleの表紙が完成し、原稿を最終確認して、今週か来週には公開できる予定です。
▪️娘日記
近くの公民館でやっている子育てスポットへ。同年代の子と遊びました。