「キャンドゥ」の決算修正に思うこと。

100円ショップで有名な「キャンドゥ」が、24年2月期の決算と25年2月期第1四半期の決算を修正しました。現場はてんやわんやだったのではないでしょうか。経理で修正が発生すると、社外にも公表する必要があり、影響は大きくなることがあります。

目次

100円ショップのキャンドゥが決算修正

100円ショップで有名な「キャンドゥ」が昨年度の決算を修正しました。

(訂正)「2024年2月期決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正

修正したのは、「繰延税金資産」といわれるものが集計に誤りがあったことによるものです。
繰延税金資産とは、「税効果会計」といわれる、会計のかなりテクニカルな論点で出てくるものです。

ホームページのリリースによると、税効果会計の計算について、「従来外部専門家と連携して作業し、当社にてその結果を改めて検証する」という作業フローだったが、「当社において税効果会計に関する業務手順書やマニュアルの詳細さ及び専門知識を有した要員が不足しており」、後からミスが発覚したということのようです。

修正額は、繰延税金資産の金額を1,870千円から1,180千円に修正。それに伴って利益も下方修正となっています。

経理の現場は大変だったのではないか

経理の現場は大変だったのではないかと思います。

リリースにある、「専門知識を有した要員が不足」というのは、どんな要因だったのでしょうか。

  • それまで税効果会計を担当していた経理の社員が退職したのか
  • 連携先の外部専門家に頼りっきりで、その外部専門家のミスに誰も気付けなかったのか
  • 監査法人がこのタイミングで修正を指摘してきたのか

社内の実情は全く知らないので想像でしかないですが、こういう社外に公表が必要な修正事項が発生すると、経理はかなり大変になります。
日常の経理作業もありますし、今期の決算も準備が必要ですし、それらと並行して決算修正をするとなると、夜も遅くまで対応が必要になっていたかもしれません。

経理のミスは、社外にも波及する

経理の仕事は、地味で空調の効いた部屋でできる事務職で、体力仕事というイメージはあまりないかもしれません。

でも、会社のお金を扱う部署である分、金額のミスは許されません。
(ある程度細かいミスは何とかなることが多いですが)

今回のキャンドゥのように、ミスが発覚したらホームページに公開する必要があります。
日経の記事にもなる案件です。

キャンドゥの3〜8月決算、最終赤字2億円 過去決算を訂正

経理でミスが出ると、上場企業だったら外部に公開されることになります。
企業への信頼にも関わる可能性もあります。

それだけ経理という職能は大事なことをしているということです。

経理というと、営業や製造部門に比べるとバックオフィスというか、後方支援というイメージが強いですが、ミスをすると社外にも波及することがあるぐらい、経理は会社において重要なものです。

キャンドゥは上場企業の話ではありますが、上場していない中小企業や個人事業主にとっても、経理は軽視できないものではあります。



▪️編集後記
昨日は会計士業。午後から産婦人科で娘の検診。
自宅で仕事の続き。

▪️娘日記
産婦人科で娘の検診へ。体重が1週間で300g増えていました。最初はミルクをあまり飲まなかったのですが、最近は飲む量が増えてきて、逆に飲みすぎてたかもしれません。
起きてる時間も増えてきて、よく泣くようになりました。

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