「安い」と「割安」は違う

価格はつけられない?(アインシュタインが弾いたピアノ@奈良ホテル)

「安い」と「割安」は、似て非なるものだと思います。「安く」はできないけど、「割安」はできるのではないかと思っています。

目次

安くはできないけど、割安にはできる

税理士に限らず、士業も価格競争があります。
ネットで検索すれば税理士報酬の相場もわかりますし、かなり安い価格を提示している税理士もいます。

私も価格を公開していますが、一般的な税理士報酬の相場に比べれば、「安い」とはいえないかもしれません。もっと安いところはたくさんありますし。

しかし、そこまで「高い」とも考えていません。
人は雇っていないので、担当者や外注に丸投げすることなく、全て私が対応するようにしていますし、私が全力で対応できる範囲での適正価格と考えています(今後価格改定はあるかもしれませんが)。

一般的な相場に比べると「安く」することは難しい部分がありますが、「割安」と思ってもらえるようにすることは常に考えています。

税理士という仕事は目に見える成果物がないので(申告書や試算表は成果物とはいえないでしょう)、「価値」というのは分かりづらい部分があります。
ですが、明確な基準がなくても、「これだけの金額は払う価値がある」と思ってもらえるように日々鍛錬していますし、プロとしてそうあるべきだと思っています。

「相場」とは?

そもそも「相場」って何なのだろうか、と思うことはあります。
家電量販店に行くと、だいたい値札の金額より値引きしてくれることが多いと思います。
値引きしてくれるのはうれしいですけど、「じゃあこの値札に書いてある金額は何なんだ」と思うことがあります。値引き交渉したもん勝ちなのは仕方ないのかもしれませんが、私はモヤッとしますし、自分が売る側ではしたくないことです。

税理士の報酬も、ググれば相場は出てきます。
でも、家電と一緒で、「相場」なんてあってないようなものだと思っています。昔に誰かが何となく決めたものが、今も何となく続いているだけではないかと。

とはいえあまりに常識外れな金額を提示するわけにはいかないので、「相場」のチェックはしていますが、振り回されないようにしています。
逆に、最近だと物価高騰による値上げとか、インボイス制度・定額減税による値上げも考えられます。
でも、あんまりそういう外部環境で自分の仕事を値付けするのも好きではないです(製造業とか人を雇っていたら仕方ない部分はあると思いますが)。

特に士業のように明確な「原価」と呼べるものがない業種では、世の中がインフレなのかデフレなのかで自分の仕事の価値は変わらないはずです。
自分が適正だと考えている価格で、かつお客様に「割安」と思っていただけるのが理想だと思っています。

「価値」で買い、「価値」で売る

これは自分がモノやサービスを買う場合でも重視したい考えです。

お正月になると、5万円のワインと5千円のワインを飲み比べて、どっちが高いかを当てる番組をやっています。
あの番組では5万円のワインが「正解」で、5千円のワインを選んだ人は「バカ舌」といわれるんでしょうけど、5千円のワインが美味しいと思ったのならそっちの方が幸せでは?、と思うことがあります(身も蓋もないですが)。

ああいう番組は、「価値」ではなく「価格」でモノの良し悪しを測っている最たるものでしょう。
「価値」ではなく「価格」でモノやサービスの良し悪しが決まるわけではないし、そうであるなら全身にハイブランドを身に着けている人ほど高貴で幸せな人ということになってしまいます。

「贅沢をすること」も人生の楽しみではありますけど、ベースとなる価値観にしないほうがいいかとは思います。

自分がサービスを売るときも、「価格」で勝負ではなく、「価値」で勝負していくことで、「割安」と持っていただくことは可能だと思っています。



▪️編集後記
昨日は会計士業の作業と打ち合わせ。次回のセミナーの企画など。

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