「あと一歩」の積み重ねが、年を取ると大きな差になってくる

同じだけの努力をしていても、最後の「あと一歩」の差が、年齢を重ねると大きな差になってくるのではないかと最近思うようになりました。

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会計士試験の修了考査を初日であきらめる人

公認会計士の修了考査(論文式試験に合格後、実務経験を経て受ける最後の試験)を受験した時のことです。

2日間ある修了考査で、1日目に私の前の席で受験していた人が、2日目は試験会場に来ず、受験すらしないということがありました。

おそらく1日目の試験で出来が良くなかったので、2日目に行ってもどうせ不合格になると思い、あきらめて試験を受けることすらしなかったということでしょう。

今の修了考査は違うのかもしれませんが、当時は修了考査の試験日は1月の最初の3連休にあり、社会人にとっての貴重な3連休のうちの2日間をつぶして試験を受けに行きます。

初日の出来が悪かったら、どうせ2日目に試験を受けても意味がないから、それであれば試験はあきらめて週末遊んでしまおうという感覚は何となく理解できます。

試験に受からなければ、「公認会計士」を名乗ることはできません。しかし、監査法人でスタッフクラスで働いている分には「公認会計士」である必要はありませんし、事業会社に勤めていればなおさら「公認会計士」の肩書は意味をなさないことが多いと思います。

試験に受かるか否かは、その時点では大きな差ではありません。資格があろうがなかろうが、仕事が普通にできていれば給料は普通に入ってきます。

修了考査に何年も受かってなくても、キャリアには影響がない人もいるかもしれません。

ですが、こういったわずかな差の積み重ねは、年齢を重ねてくると段々大きな差になってくるのではないかと感じることはあります。

「あと一歩」が足りないと、何も実績がない人になる

転職活動でも、まだ20代であれば、実績がなくても誠実さやタフさ、キャリア志向などを見てポテンシャルで評価してくれることもあるでしょう。

しかし、年齢を重ねてくると、人柄に加えて、「この人は何をしてきた人なのか」を見られることになります。そのときに、以下のような人が採用で応募に来ると、なかなか評価はしづらいです。

  • 弁護士を目指して司法試験を目指したが、途中で会計士を目指すことにしました。
  • 会計士の試験は、短答式試験には合格しました。
  • IPO準備企業に就職し、IPOはできませんでしたが内部管理体制の整備をやってきました。

上記のような実績は、一つ一つは大きな差ではないかもしれません。会計士試験の論文式に受かった人と落ちた人に知識量に大きな差はありません(合否のボーダー付近であれば)。IPOができてなくても、その時の市況が悪くて上場していないだけで、実態は上場企業並みに整備された会社もあります。

でも、この人は資格もなければIPOをさせた実績もありません。

あともうちょっと頑張れば試験に受かるかもしれないのに。

あともうちょっと上場準備を頑張れば上場できるかもしれないのに。

そのちょっとした差が、10年20年と重なってくると、同じ社会人でも大きな差になっていくように思います。

ずっとダラダラ続けるのは良くありませんが、あとちょっとひと踏ん張りして、目に見える実績を作ってしまった方が、選択肢はいろいろ広がっていきます。

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