会社にお金を残すためにすることは、売上アップや融資だけではありません。
キャッシュを増やすもの
負債(前金・融資)
負債は「借金」、「返済が必要なもの」というイメージがありますが、手元のキャッシュを増やしてくれるものでもあります。
前金は、経理上は負債に上がりますが、キャッシュサイクルを良くするためには有効です。
ビジネスの業態によっては難しいものもありますが、積極的に前金は検討すべきでしょう。
また、銀行融資もキャッシュを増やしてくれるので、積極的に検討しましょう。
無借金経営でも十分なぐらいのキャッシュがあればそれに越したことはありませんが、なかなかそうはいかないものです。
いずれ無借金を目指すとしても、その過程では銀行融資は避けては通れません。
そして、銀行との信頼関係は一朝一夕では築けません。
今すぐ資金が必要というわけではなくても、融資は活用していきましょう。
資本(増資・利益)
自己資本を増やすという意味では、増資(出資)も選択肢になります。
資本を増やせば、キャッシュが厚くなるだけでなく自己資本比率も高くなるので、財務の信頼性も高まります。
ただ、資本金が1億円を超えると税制の優遇がなくなったりするので、慎重に検討する必要はあります。
売上?
自己資本を厚くすることでキャッシュを増やすものとしては、利益を出すことでもキャッシュを増やすことができます。
「売上を増やす」ではなく、「利益を増やす」です。
売上を増やそうと設備投資をしたり在庫を増やしたりすると、PL上の売上は増えるかもしれませんが、コストもそれだけかさみ、利益はそれほど出ず、資金繰りも苦しくなるということはありえます。
売上も大事ですが、利益を増やす意識も重要です。
キャッシュを減らすもの
資産
固定資産や在庫は、経理上は「資産」に分類されます。
「資産」が多いことは良いことのようですが、場合によっては資金繰りを悪化させます。
固定資産は持っているだけで税金がかかることもありますし、在庫も保管料などのコストがかかります。
売掛金はキャッシュになるまでに時間がかかるものがあります。案外BSにずっと残っている売掛金があることも多いです。回収できてない売掛金がないか、入金予定はいつなのかの管理は必要です。
資金繰りを良くするためにできること
資産を売る
BS上「資産」に分類されるものは、固定資産や在庫などのように、持っているだけでお金が出ていくものもあれば、売掛金のように現金化するまでに時間がかかるものもあります。
このうち、設備や土地のような固定資産は、売却も検討しましょう。
「含み損が出るかも」ということで躊躇することもあるかもしれませんが、手元にキャッシュが入るのであればその方が良いこともあります。
融資・増資
増資については、ベンチャーでないかぎり、外部からの調達は難しいかもしれません。
融資の方が現実的でしょう。
事業計画を作成したり、定期的に決算報告をしたりそれなりの手間はかかりますが、いざというときのためにも、銀行との信頼関係は築いておきましょう。
節税
決算が近くなって、利益が思った以上に出て税金の負担が重くなりそう、と思ってもできることは限られます。無理やり節税しようとすると、かえって後から修正申告になってしまっては余計に資金が流出しますし、不要なものを「節税のため」といって消費しても、キャッシュは手元に残りません。
過度な節税はダメですが、税金のことに無頓着すぎるのも考えものです。
真っ当な範囲で、節税についても真剣に検討すべきです。
▪️編集後記
昨日は経理支援業務&IT支援(Googleやクラウド会計の設定)で打ち合わせと作業。久しぶりに打ち合わせが多い1日でした。
融資関連の相談申し込みをしました。